10.We Are The World

およそ40年ほど前、英語は中学一年生から学ぶものでした。

中学校に入学する年のお正月、近所に住む親戚が、英語の本をプレゼントしてくれました。私に初めてのコンサートを体験させてくれた、あのお姉さんです。

私がまだ幼児だった頃、車の助手席に座ると、目の前にとある文字が並んでいました。ひらがなでもカタカナでもない文字です。

父に尋ねると、決まってこう答えました。

「これはエス、これはケー、これはワイでこれはエル、アイ、エヌ、イー、だよ」

車種の名前がアルファベットで書かれていたのですが、私はその答えにまったく満足できず、いつももやもやとしていました。

親戚のお姉さんがくれた英語の本は、初めて英語を学ぶこども向けの、英語だけで書かれたもので、ページを開くと、アルファベットに始まり、美しい筆記体の書き方が綴られていました。

そしてかんたんなあいさつや名詞などが並ぶページを見た瞬間、

「これだ!!」

一瞬で歓喜に包まれました!かつて幼児の頃に度々抱いたあのもやもやが思い出され、それが一気に晴れたのです。

そこには、アルファベットが並んで単語となり、別の読み方が書かれていました。ひらがなやカタカナのように、書かれているまま読めば発音できるものではありません。

あのとき私が父に教えてもらいたかったのは、アルファベットひとつひとつではなく、単語としてどう読むか、つまりスカイラインという読み方だったのです。

この英語との出会いは、懐かしさにも似た少し不思議な感覚があり、あまりの感動に、私は自室にこもって数時間かけて、その本を一気に解き終えました。親戚たちが集まってわいわい楽しんでいたにもかかわらずです。

これを発端に、私にとって英語は、学生時代の最も得意な科目になりました。大学時代は、一度も海外に出たことがなかったものの、留学先を尋ねられる程度の会話ができていたのに、歳月と共にだいぶ失われてしまったのが悔やまれます(苦笑)。


さて、私が中学に進学した頃は、ちょうど世の中にCDが普及し始めた時期でもありました。

レコードよりも軽量でコンパクトなディスクに長時間収録でき、音質も格段に良くなったと大評判のCDは、当時最先端のメディアでした。

中学入学と同時に、CDが聴けるステレオコンポを買ってもらい、ラジオでは主に洋楽を聴くようにもなりました。

Billboardの最新ヒットチャートを把握しながら、MadonnaやCyndi Lauper、Culture Club、Duran Duran、A-haなどなど、思春期の女子が食いつきそうなものにあらかたハマっていたものです。

あるとき、スター勢揃いのプロジェクトが立ち上がりました。飢餓と貧困に苦しむアフリカを支援するためのものです。

We Are The World

一曲の中で、代わる代わるスターたちが歌い、ときには声を重ね合わせる様子に、中学生女子は興奮しました。

華やかに活躍するスターたちが、社会問題にフォーカスをあてて支援する姿に、10代前半でふれることができたのは、のちの私に大きな影響があったはずです。

そのWe Are The Worldのメイキング映像で、とても印象的な場面がありました。

Cyndiがふんだんに付けていたアクセサリーの音がノイズになってマイクが拾ってしまうシーンです。

当時の私は、まだ良妻賢母の卵でしたから(笑)、自分の将来の選択肢に「ミュージシャン」はありませんでした。ですがなぜか、これは重要なことなので覚えておかなければ、と思ったのです。

その後、実際にこの教訓が役に立っているわけですから、直感というものは不思議なものです。

そしてもうひとつ、私には妙な確信がありました。

良妻賢母になるつもりの私でしたが、将来を共にする人は、なぜか音楽関係の人だろうと思っていました。この確信ものちに当たることになるとは…。


皆さんも、何の脈絡もなくおりてくる直感というものを、一度は経験したことがあるかと思われます。

そうした直感はおそらく、自分が自分らしく、自分を最大限に活かして、この世を存分に生きるためのものではと思うのです。

歳を重ねるほど、つい頭で考えてしまって、直感を蔑ろにしてしまいがちですが、私もまた直感を信じて、このあとの人生の旅路の進路をとってみようかと思います。

年齢なんて何も関係ありません。皆さんも直感がおりてきたら、ぜひそれを信じて、わくわくしながら、頭では思いもつかなかった素敵な未来に向かってみてください🥰

物語は明日へとつづきます。

皆様、どうぞあたたかくしてお過ごしください。

こちらにつづきます↑

コメントを残す